この嘘に、ピリオドを
両親には「やりたいことができた」とだけメールをし、連絡先などをブロックした。これで二人とは絶縁したと思うと、心春はただ嬉しかった。

ジョンの元で働く毎日は、自由で溢れていて心春は毎日が幸せな日々だった。密猟者と銃の撃ち合いになったり、熊や狼に襲われそうになったことも数え切れないほどある。だが、牢獄のような実家よりもずっと刺激的で楽しかった。

「私に何か用?」

目の前にいる両親に緊張を覚えながら心春は訊ねる。父がため息を吐きながら言った。

「お前ももういい歳だ。そろそろ身を固めなさい」

「あなたのお友達、みんな結婚して子どもがいる子もいるんでしょう?私もそろそろ孫の顔が見たいわ」

母もそう言い、心春は後ずさる。だが両親に素早く腕を掴まれ、強引に車に乗せられ、帰りたくないと思っていた実家に連れて行かれてしまった。

リビングの椅子に座らされた心春に待っていたのは、両親による「この人と見合いをして結婚しろ」という言葉だった。結婚をすると言うまで家から出さないと言われ、心春は「は?」と口にしてしまう。
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