課長に恋するまで

 頭が物凄く痛い。喉も乾く。
 目を開けると、薄暗い天井が見えた。
 腕を伸ばすと、むにって柔らかい物に触れた。

「う……ん」

 自分以外の声がしてハッとした。
 隣でゆかりさんが寝てた。
 しかもゆかりさんは私を抱き枕にするように抱き着いてる。

 何がどうなってるの?

 昨夜の記憶を思い返してみる。
 銀座のクラブでゆかりさんと飲んでいた。
 ウィスキーを飲んで、それから妙に楽しくなって、勧められるままグラスを空にした。
 ゆかりさんにいい飲みっぷりだって褒められたのも嬉しかった。
 美月ちゃんて可愛いねって、言われて調子にも乗った。

 それから、

 それから。

 ダメだ。思い出せない。

「おはよう」
 ゆかりさんがパッチリと目を開けた。
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