課長に恋するまで
 地下鉄に乗り換えて、神楽坂駅に停車した時、目の前の席が空いて、腰を下ろした。
 降りる駅までは十分ぐらいだったけど、なんだかくたびれた。
 ふと車内に視線をやると課長に似た人がいた。

 向かい側のドア近くに立ってて、後ろ姿がよく似てる。
 紺色のスーツ姿で、今日、課長が着てたのと同じようなスーツだった。

 身長の高さや、姿勢のいい感じまで似ている。

 課長の面影を追うように、こっそりその人を見ていると、その人が驚いたようにこっちを向いた。

 ぱっちり目が合って、心臓が止まりそうになった。

 本物の課長だった。
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