課長に恋するまで
 ゆかりちゃんの話を聞いた。
 
 ゆかりちゃんはホステスになってまだ二年だそうだ。その前は普通の企業で働いていたが、上司からパワハラを受けて耐えきれず、辞めたらしい。
 その後は六本木のキャバクラで一年働き、知り合いのツテで銀座の香織ママの店に入ったそうだ。

「上村さんみたいな上司に巡り会いたかったな」

 ゆかりちゃんが話の最後に言った。

「会社では僕もパワハラ上司かもしれないよ」

「そんな事ありませんよ。上村さんは優しさが滲み出てますから。それに部下の人、石上さんでしたっけ。彼の事をいろいろと気遣ったりしてるのを見て、石上さんがうらやましく見えました」

「よく見てますね」

「仕事ですから」

 ゆかりちゃんが笑った。

「そういえば、彼女どうなりました?」

 ゆかりちゃんがお寿司をつまみながら言った。

「彼女?」
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