愛のかたち
 片付けを終え、ほっと胸を撫で下ろしたところで、野上がキッチンにやってきた。

「お疲れ様。疲れただろ」
「いえ。皆さんに『美味しかった』って言って貰えたことが凄く嬉しくて、明日も頑張ろうって思えました」

 野上は何も言わず優しい笑みを浮かべた。

「まだ外から戻ってこられてない方の分は冷蔵庫に入れておいたので、レンジで温め直して食べて貰えれば。まだもう少しの間は私もここにいますけど」

 と彩華が伝える。

「観賞用として、いつまででもいてくれて全然構わないよ」

 野上が悪戯な笑みを浮かべている。
 あの日、翔が言った言葉だ。

「もうっ、やめてくださいよぉ」

 彩華は苦笑いした。
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