愛のかたち
 昼食が完成すると、いつも通り野上に声を掛けた。

「今日も旨そうだな。俺、天丼すげー好きなんだ」

 いつもの笑顔を見せてから、野上は箸をつけた。

「彩華さん、今日何か元気ない?」

 いつも元気な末っ子社員が声を掛けてきた。視界の隅に野上の視線を感じていた。

「そんなことないですよー。週末で疲れが溜まってきたのかなぁ?」

 彩華は笑顔を取り繕ったが、実は朝の野上との出来事をまだ引きずっていた。野上は怒っていないとは言っていたが……。それに、最後に頭を撫でられたことも気になっていた。

「怒ってないから気にするなよ」という軽いノリだったのだろうか。


 片付けを終えて帰り支度をしていると、野上がキッチンにやってきた。
 
「彩華ちゃん、今朝はごめんね」
「え? いえ、そんな……」

 野上も気にしていたのだろうか。

「来週から、また元気に来てね」

 そう言われ、何故か胸がキュンと鳴いた。
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