愛のかたち
「話は出来たの?」

 階段を上る父の足音が消えてから、母が翔に尋ねた。

「はい」
「そう。良かったわね」

 そうして、彩華を見据えた。

「今でこそ笑ってられるけど、翔君から離婚の理由聞かされた時、お父さん大変だったのよ」
「えっ」

 母の言葉に、彩華の心臓は激しく動悸した。離婚の理由は両親には話していなかったからだ。

「翔君、しばらく外に出られないくらい顔腫らしてね」
「えぇっ!?」
「まだ、あんたたちが離婚するずっと前よ」
「え、どういうこと?」

 離婚するずっと前に、離婚の理由を翔が話したというのだろうか。彩華は理解に苦しんだ。
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