甘く、溶ける、君に。


「田邊、大丈夫? 何かあったの? 本当に田邊……?」


「大丈夫だし本当に田邊だよ。何かあったっちゃあったけど、遥乃には言わねー」



私には教えてくれないみたいだけど、何かあったならまあ、納得できる。


なにもなく連絡先全消去なんて本気で色々心配になる。

よかった、何かあったなら。教えてはくれないけど。




教室にはお喋りしたくて残ってる人、部活の用意をしてる人、教室にも廊下にもたくさんの人であふれている。

少しいつもと違う田邊についていくように人の中に溶け込む。



こうやって並んで歩いてたら、カップルに見えるかな。


……もっとも、この学校ではもう私たちのことは知れ渡ってるから絶対無理だけど。


隣を歩く田辺を見上げてみる。

さっきとは違って余裕そうでだるそうな田邊はいつも通りに見える。



うーん、難しい。田邊って難しいな。


絶対私の方が簡単、わかりやすい、単純。

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