甘く、溶ける、君に。
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一日の終わり。いやまだ、全然終わってない。学校で過ごす時間の終わり、とでも言うべきかな。
結局一日中千輝くんに会うことはなくて、たぶん油断してた。いや、間違いなく油断してた。
無事に乗り切ったと、そう思っていたのに。
昇降口の入り口、ちょうど、傘立てのところ。
今日は雨は降っていないけどまだらに傘がささっている、その場所。
私の頭をすぐにいっぱいにして、会いたくなくて気まずくて、だけど誰より会いたいその人が、そこにいて。
遠目からは全然目に入ってなかった。油断してたから。
そのまま校舎を出ようとしたところで、ふと顔をあげたらバチッと目が合ってしまって……動けなくなって、逃げられなくなって。
まるで天敵に捉えられた獲物のように。
その場に立ち止まった私に気がついて、振り向いた田邊も私の視線の方へ顔を向けて、ちょうど立ち位置は三角形のようになった。