甘く、溶ける、君に。
「あんたに遥乃は渡さないよ、幼なじみくん」
「……幼なじみにしかわかんねーことだってあんだよ。遥乃がこっち向くまで引かねーから」
「諦めの悪い男は嫌われるよ? いこうか、遥乃」
信じられないような会話がすぐ近くで広げられる。
そのまま手を引かれて、無理やり歩かされる。
歩く、歩くけど。だけど頭の中は今の話でいっぱいで、私の意思とは関係なく足が動いてるだけ。
"渡さない"?
それって、普通に考えたら。
私たちが普通の男女だとしたら、田邊が私のことを好き……ってことで。
それこそよくある恋愛ドラマに出てきそうな台詞。