甘く、溶ける、君に。
隣に座っていた田邊が立ち上がった。
立ち上がって、私の前。
見上げる。だけど田邊はこちらを見ていなくて目は合わない。
合わないまま、田邊の口が動く。
「いつも言ってたけど、本当にお前は俺のタイプど真ん中で……けど、それ以上の感情抱くとかぜってーないと思ってたよ」
「……田邊、」
「いま、二人きりだけど」
「……っ、えい、と、」
「ごめん、そんな顔させたのは俺のせい」
見たことないくらい切なそうに笑うんだもん。
まるで自分のことを嘲笑うかのように。
笑って、そんなふうに謝るんだもん。
何も、悪くない。田邊は何も悪くなくて、勝手に苦しくなってる私が悪いの。
田邊が言おうとしてくれてることも、気持ちも、私には見合ってなくて苦しいの。
本当につくづく、私は人に好意を寄せられて良い人間じゃない。