甘く、溶ける、君に。
「ちょっと俺の話聞いて?」
言って、もう一度私の隣に座った。
田邊も、私と少し距離をあけて座った。
……私たちはもう、元の関係には戻れないのかな。
そもそも元が不純な関係でしかないし、
この期に及んでそんなこと考えてる自分の思考が最低すぎて心の中で自分に対する乾いた笑いがこぼれてる。
「俺、散々遊んできたし好きとかめんどくせーって常に思ってきたよ。
女なんて何人いても困るもんじゃないって思ってたよ」
「……うん」
「でも、連絡先全部消した。一人の女に振り向いてほしくなってね」
田邊が私の方を見て、目が合って。
このタイミングで目を合わせてくる田邊に、また心臓が跳ねてしまって、どきんと音がしたような気がした。
タイミングが、ずるい。
私のことだって、言葉から、目線から、全部から伝わってくるんだもん。
こんな風に気持ちを、向けるんだ。今までと当たり前に全然違う。