甘く、溶ける、君に。


声をかける君の言葉を遮って、昔も、再会してからもずっと言えなかったその一言を声にした。

この二文字が、どうしても言えなかった。

どうしても、伝えられなかった。



……どうしても、言いたかった、たった二文字。




その二文字に、千輝くんは目をまんまるにして驚いている。



こんな驚いた顔、初めて見るかもしれない。



驚いている顔も相変わらず綺麗で整っていて、無意識に見惚れてしまう。





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