甘く、溶ける、君に。



きちんと私なりに、真っ直ぐ目を見て気持ちを伝えたはずなのに、降ってきたのはバチンという音と、頬の鈍い痛み。



……こうして対面して叩かれたのは、久々かも。



「誰でもいいくせに。私は瑛斗じゃないとダメなの。ほんと、最低な女……っ」



私を打った張本人であるリーダーさんは、吐き捨てるようにそう言って私の横を通り廊下を歩いていった。

それについていくように、私の顔色を見ながら横を通る、取り巻きの二人。


今振り返って、教室に戻ろうとすれば三人がまだ歩いているだろう。


振り返らず、少し待つことにする。……私の答えの、どこが間違いなのよ。



じわじわ痛みを感じる頬に触れる。熱を持ってる。赤くなってそう。また教室に戻っても面白おかしく私のこと見てくるんだろうなぁ。どーでもいいけど、嫌になってくる。



……自分で撒いてる種なのは、百も承知。だけどそれにしたって。




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