甘く、溶ける、君に。


「……めんどくさい」


「……ほんとだね。大丈夫?遥乃」



誰もいないはずのこの空間、ぽつりとつぶやいた言葉にまさか返答があるとは思わなくて。


聞き覚えのある声。その声に"遥乃"なんて呼ばれると思ってなかった。



キョロキョロ辺りを見渡すと、さっきまで人なんていなかったはずの階段に一人、立っている人がいた。



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