甘く、溶ける、君に。



その人物が誰だかすぐにわかって、驚きで目はまんまるになってると思う。


下から上ってきて、私の前に立つと、目線は全く合わず、見上げないといけなくて。


私のぶたれた頬に触れて、それにびくっと反応してしまう。単純に、その人に触れられることへの反応。



「……っ」


「すごい音したよね、女って怖い」




現れた人物が、朝、何年ぶりかに再会した幼なじみ___千輝くんだったことに、色々な感情が湧き上がってきた。


そういえば朝に会った時……確かに、田邊と同じ制服で。学校に着いたら忘れてた。それどころじゃなくて。


それで……改めて自己紹介なんてしてきて、私のことなんかもう覚えてなくて、それか気付いていないか、だと思ってたのに。



千輝くんが、私の名前を呼んだ。明らかに、私のこと知ってる。気付いてる。覚えてる。




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