甘く、溶ける、君に。






自分でも見たくない感情が、自分の中を渦巻く。



夕食を作りながら焦点も合わないで「千輝くんへの気持ちは何もない」と言い聞かせる自分へ失笑をこぼしつつも、部屋に響くインターホンの音で我にかえる。



ピーンポーンという無機質な音は呑気に響いて、「何かネットで注文でもしたっけ」と考えながらドアを開けると、

そこに立っていたのはさっきまで頭の中でずっと考えていたその人本人_____千輝くんで。



驚いてフリーズしてしまう私に、千輝くんは優しく声をかける。




「一緒に食べない? 夕飯」




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