甘く、溶ける、君に。
千輝くんの持つ割り箸が私の作ったものを掴んで、口に運ばれていく。
固唾を飲むようにして見守ってしまって、私の右手は動かず止まったままで。
さっきは目を合わせようともしなかったのに、
今は自分から目を合わせてきみの反応を待ってるんだ。
「……美味い」
一番欲しかった言葉を聞けて、そしてどんどん千輝くんがご飯を食べていく。
やっぱりこれが一番幸せかもしれない。
こんなふうに箸を止めず美味しそうに食べてくれる、一緒にご飯の時間を過ごしてくれる、これだけのことが、私には何より幸せだった。
「嬉しい、ありがとう」