甘く、溶ける、君に。


その優しくて、なにを考えてるかわからない深い瞳に見つめられると固まって動けなくなるから、目は合わせないようにして。


でもやっぱり気になるから正面に座って顔を上げてみると、

それに気がついた千輝くんが私に向かって微笑んだりするから。



この気持ちをどう処理したらいいか、わかんなくなるの。

千輝くんが今ここにいて、私と一緒に私の作ったご飯を食べてる、それだけで意味わかんないのに。




「いただきます、遥乃」


「……どうぞ」



ありえないくらい小さい声になったのは、さっきとは逆で思うように声が出せなかったから。


私の体は思うことと正反対にしか動けないらしい。天邪鬼、とでもいえばいいのか。


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