だって、恋したいもん!

第九十五話  じゃあ買ってきて







理佐「ただいま~」

母「おかえり~」


家に帰ると私はリビングのソファに腰をおろした。


母「あら、今日はピアノの練習はしないの?」

理佐「うん、あとでやるよ♪」

母「最近、久し振りに弾いてるかと思ったら、あれ何の曲なの?」

理佐「部活でやる曲」

母「あんた軽音に入るって入部届け出したけど、軽音てあんなのやるの?」

理佐「うん、あれは頼まれた曲なの…」

母「へぇ~…」

理佐「私たちのバンドでやるのはもっと違う曲だよ」

母「そうなの?まぁお母さん聞いてもわかんないけど笑」

理佐「今練習してるのは今度昼コンでやる曲だよ」

母「へぇ~…昼コンて何?」

理佐「昼休みにやるコンサート、一学期と二学期の中間と期末テストの間にやるの」

母「へぇ~そうなんだ…あんたも出るの?」

理佐「うん、軽音と民研でやるから…」

母「由依ぽんたちと出るの?」

理佐「由依ぽん?? うぅん、まだ由依たちとは無理だよぉ」

母「じゃあ誰と出るの?」

理佐「え、だからその…頼まれたので…」

母「あー!言ってたお魚屋さんでバイトしてる男の子?」

理佐「………うん…♪」

母「へぇー!♪そうなのー?♪」


母「で!その後どうなのよ!」

理佐「えー!別にその後って言っても何も……」

母「え?何よぉー、何も進展ないの?」

理佐「進展て……」

母「あんた好きなら好きで早くものにしちゃわないと!」

理佐「『もの』って…」

母「そんなバンドとかやってる子なんて人気あるんじゃないの?」

理佐「うん……かも……」

母「じゃあ早くどうにかしちゃいなさいよ!」

理佐「えー!どうにか、て……」



母「何だかお魚食べたくなって来ちゃったから明日買いに行こうかな?」

理佐「えーー!やだよぉ~…」

母「いいわよ、別にお母さん一人で行くから…」

理佐「え、ちょっとぉーー!!」

母「どんな子か気になるし見たいし♪」

理佐「やだよぉ~来ないで!」

母「いいじゃない!どんなイケメンか一度見たいしね♪」

理佐「ダメー、もぉー!」


母「じゃああんた買ってきてよ!」

理佐「え、私が…?」

母「うん、そう♪お願いね♪」

理佐「えー………もぉー………」







第九十六話へつづく…











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