だって、恋したいもん!
第十一話 濡れた足
完全に魂の抜けた私に由依が…
由依「あーダメだこりゃ…」
由依「逝っちゃいましたね~」
由依「来週まで生き返らないかなこりゃ…」
と、左肘をついて見ている。
由依「そうだ理佐!帰り本屋付き合ってよ!」
由依「暇になったんでしょ!?」
理佐「え~どこ行くの~?」
由依「近くに売ってなかったから河原町の方まで行きたいんだけど」
理佐「え?河原町?」
理佐「行く!!私もジュンク堂行きたい!!」
由依「おー生き返ったー♪」
由依「それじゃ放課後、行きますか!」
と、言うわけで放課後に由依と本屋へ行くことになった。
放課後、本屋へ向かうため二人で自転車を押して歩いていると…
バシャッ!!
と、足元に水がかかった。
理佐「キャッ!!」
と、飛び跳ねると…
店員「あ、ごめんなさい!すぐにタオル持ってきます!」
と、言って水撒きをしていたお店の人がタオルを取りに入って行った。
理佐「あ~ん、濡れちゃったよぉ~」
と、立ち尽くしているとお店の人がタオルを持って走って出てきた。
店員「すいません…」
と、言って私の足元を拭き始めてくれた。
理佐「あれ……?」
理佐「西野くん……?」
店員「え?」
と、言って彼は私を見上げて…
西野「あっ!! 渡邉さん!!」
彼の顔を見ると急に恥ずかしくなり後退りして、
理佐「あ、大丈夫だから…」
と、彼から離れた。
西野「いや、でも濡れちゃってるから…」
と、彼がもう一度私の足元を拭こうとしたが…
理佐「ホント大丈夫だから!」
理佐「ほら、由依…行こう!」
と、言って私は自転車に乗って走り始めた。
西野「え、? 渡邉さーん…」
と、彼は言っていたが私はそのまま走り去った。
由依「ハハハ…すぐ乾くから大丈夫だと思いますよ」
と、言って由依も自転車に乗って追いかけてきた。
西野「あ、でも…」
と、彼は言っていたが由依もそのまま走り去った。
由依「理佐ぁー!ちょっと待ってよぉー」
濡れた足の冷たさよりも彼の顔が私のスカートのあんなに近くにあったのが恥ずかしくって私は方向もわからずに夢中で自転車をこいでいた。
第十二話へつづく…