だって、恋したいもん!
第百二十七話 『LOVE』
月曜日、
今日の4限は家庭科の調理実習。
今回はクッキーを焼きます。
由依「理佐クッキー焼いたことあるの?」
理佐「ないー 由依は?」
由依「うん、何回かはね」
理佐「えー、すごーい」
由依「で?」
理佐「ん?」
由依「で??」
理佐「え、何ー?」
由依「西野くんにあげるの?」
理佐「え…そんなの考えてなかった」
由依「自分で食べるの?」
理佐「えー、後のことまで考えてなかったよぉ…」
由依「じゃあ昼休みに持って行く?」
理佐「え……♡」
由依「何嬉しそうな顔してんのよww笑」
由依「分かりやすいわ、あんた」
理佐「え、もぉー!からかわないでよぉ」
由依「アハハッ、まぁほんじゃあ気合い入れて焼きますか」
理佐「え、そんなに…?」
由依「キレイに焼けた方がいいでしょ」
理佐「うん、そりゃ…」
由依「じゃあまず薄力粉をこし器でふるって」
理佐「うん……てか由依レシピ見なくてもいいの?」
由依「まぁ覚えれば簡単だよ」
と言う由依の指示でバターを泡立て器で練り混ぜて、
グラニュー糖、塩を入れ卵黄を加えて先程の薄力粉を加えて混ぜる。
そして冷蔵庫で寝かせてオーブンを余熱させる。
理佐「やっぱ由依はすごいね、何でも出来るもんなぁ~」
由依「2~3回作ればすぐに覚えるよ」
理佐「私が男だったら絶対由依を彼女にするよ」
由依「えー!理佐が彼氏ー?やだー!」
理佐「何よぉー!嫌なのー?」
由依「彼氏だったらもっとビシッと決断力がある男がいいよ」
理佐「すいませんね、決断力なくて」
由依「アハハッ、まぁそれが理佐の可愛いところでもあるけどね」
理佐「もぉー!」
由依「ほら、じゃあ型抜きしょっか」
理佐「うん」
由依「西野くん用には全部ハートかな?」
理佐「えー、恥ずかしいよぉ…」
由依「真ん中に『LOVE』て書いとく?」
理佐「ちょっとぉー!そんなの学校で渡せるわけないでしょ!!」
由依「じゃあ帰りにバイト先に持って行く?」
理佐「え……」
由依「『おっ♪その手があったか』て顔してんじゃん」
理佐「え、違うよぉー!そんなの無理だよぉー!恥ずかしいもん…」
由依「まぁとりあえず焼き上がるまでに考えとこっか」
同じクラスが由依でよかった…
これが茜や美波だったかと考えると…
第百二十八話へつづく…