だって、恋したいもん!

第百四十八話  だから…今…?







私は髪をほどき少しうつむき加減に教科書に視線を落とした。





義雄「あれ……?」



理佐「え、何……?」



義雄「渡邉さんの髪おろしたところ初めて見たかも……」



理佐「え、やだ……おかしいかな?」



義雄「うぅん、それもいいなぁ~……かわいい」



理佐「え……やだ……ちょっと……」



義雄「オレ、ショートカットの子が好きなんだけどなぁ~」



理佐「え……」



義雄「うん、でも長いのもいぃなぁ~て思ってきた」



理佐「もー!そんなこと言ってないでちゃんと勉強しようよ!」



義雄「あ、ごめんごめん…そんなに怒んないでよ」



理佐「もぉー!」



義雄「オレだって好きな女の子が好きな髪型してくれると嬉しいからさ……」



理佐「え……好きな子、て……」





義雄「え………」





と、ノートを写していた彼の手が止まった。





義雄「オレ……」



理佐「え、やだ……ちょっと……言わなくてもいいよぉ……」



義雄「うん……でもきっとその子……他に好きな子いるんだよ……」



理佐「え……そんなの……確かめたの?」



義雄「いや……それは……」



理佐「じゃあわかんないじゃない」



義雄「じゃあ………確………か………めて………みよう………か……な……?」



理佐「え……どうやって?」



義雄「だから………今………」



理佐「……え………?」



























義雄「……………」























理佐「………………」







































義雄「やっぱ勉強しょっ!!」







「ズコーッ!!!」



と、前後の席の生徒たちが椅子から一斉に転げ落ちた!!



「言わんのかーーい!!」



と、その生徒たちが声を合わせて言うので…



見るとお互いのバンドメンバーが勢揃いしていた。





理佐「ちょっと!!みんな……」



美波「わー!!バレちゃったー!!」





「ちょっとあなたたち!!騒がないで下さい!!」



と、図書委員がこちらへやってきた。



斉藤「わっ!ヤベっ!逃げろー!!」





と、全員が図書室を出て行ってしまった…





図書委員「あなたたちの知り合いですか?」



義雄「あ、いや……すいません…」





図書委員「あなた、前に図書委員やってた二年の渡邉さんですよね?」



理佐「あ、はい……」



図書委員「騒ぐのならあなたたちも出て行ってもらいますよ」



理佐「すいません……」





と、怒られ小さくなりながらもまた勉強を始めた。





彼も…



義雄「あいつらいつから居たんだよ!?」



と、言いながらノートを写し始めた。







さっき彼……





「今…」て………







第百四十九話へつづく…















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