だって、恋したいもん!

第百五十話  何でいたの?







私は慌てて図書室を飛び出すとみんなが廊下で話していた。




茜「理佐!?」


と、言う茜の呼び掛けにも構わずそのまま走り去った。



そして続いて彼も出て来た。



義雄「渡邉さん……!」

茜「ちょっと!? 理佐泣いてなかった!?」

義雄「いや、わかんないけど……オレ、何か変なこと言っちゃったかな?」

美波「もぉー!追いかけなよー!」

義雄「え……あ、うん……」



自転車置き場まで周りを気にする余裕もなく走って来た私は「ハァッハァッ…」と息が上がっていた。


「渡邉さーん……」

と、呼ぶ声がして振り向くと彼も走ってきていた。


義雄「渡邉さん、ごめん……オレ何か変なこと言っちゃったかな…?」

理佐「うぅん……そんなことない……ただちょっと……」

義雄「ちょっと……?」


理佐「……うん、大丈夫」




「理佐ぁー!」


と、また呼ぶ声がして振り返ると茜が走ってきた。


茜「あれ? 理佐、泣いてないじゃん?」

理佐「泣いてないよぉー、何で?」

茜「え?だって飛び出して行ったから……」

理佐「いや、あれは……」

義雄「だからあれはオレが……」


理佐「……うぅん、大丈夫」

と、顔を見合わせていると……


茜「うん、まぁ二人がいいならいいけど……」



「理佐ぁー!」


と、残りのみんなも走ってきた。



由依「大丈夫?」

理佐「うん、別に何もないよ」

尾関「ホントに?」

理佐「うん、大丈夫だって」


美波「まぁ理佐がそう言うなら…」


美波「女の子泣かすなよぉ~」

と、美波が彼を肘でこつくと……

義雄「いや、泣かしてないし!」


義雄「てか、うん……ごめん……」


茜「もぉー、ホントお騒がせなんだからー!」


理佐「ところでみんな何で図書室にいたの?」


全員「あ………」

理佐「ん……?」



全員「逃げろーー!!」


と、みんな走り去って行ってしまった。


理佐「ちょっとぉー!!もおー!」

義雄「アハハッ!なんだあいつら」



と、また二人が取り残されてしまった。







第百五十一話へつづく…












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