だって、恋したいもん!

第百五十一話  ほどほどにね







そして私たちは二人で自転車を押しながら帰り始めた。



義雄「渡邉さんは勉強出来るからいいよなぁ~」

理佐「え、そんなぁ…頭は良くはないよ」

義雄「だって成績はいいじゃん?」

理佐「え、でも全然だよぉ……」

義雄「オレなんかと比べたら全然勉強出来るじゃん」

理佐「出来るってことはないけど……でも勉強は好きだよ」

義雄「ほら!それが出来る人の言う事なんだよ」

理佐「えー、そんなことないよぉ」

義雄「なんであんなのが好きなのかがわかんないよ」

理佐「え?だって面白いじゃん!歴史とかでもストーリーあるし」

義雄「歴史なんてもーちんぷんかんぷんだよ!出て来るのみんな同じような名前ばっかじゃん!」

理佐「アハハッ、確かに!でもちゃんと個性とかも一緒に覚えれば絶対出来るよ」

義雄「そうかなぁ……」



理佐「西野くん、ホントに大学行かないの?」

義雄「うん、今のところは行く気にはなってないなぁ」

理佐「そうなんだ……」

義雄「渡邉さんは行くの?」

理佐「うん、一応……」



理佐「……………………………だから……」

義雄「だから……?」



理佐「だからぁ……そのぉ……」

義雄「………?」



理佐「西野くんも同じ大学とかだったら楽しいかなぁ……と、思って……」

義雄「え………?」

理佐「あ、ごめん……迷惑……だよね、そんなこと言っちゃ……」

義雄「いや!迷惑だなんて……嬉しいよ、そう言ってくれて……」

理佐「ホント?」

義雄「うん……」

理佐「じゃあ大学行く気になった?」

義雄「うーーーーん…………」

理佐「ん………?」

義雄「少しは考えとくよ」

理佐「そぉ?じゃあ少しは期待しとくね♪」




理佐「じゃあ私こっちだから…」

義雄「あ、うん…今日はありがとう」

理佐「うん、頑張って勉強してね」

義雄「ほどほどにね」

理佐「もおー、留年しても知らないからね」

義雄「大丈夫だよ!」



義雄「じゃあ気をつけてね」

理佐「うん、バイバイ」



と、言ってそれぞれの家へと帰った。







第百五十二話へつづく…











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