だって、恋したいもん!

第百五十二話  一緒に行けたら







家へ帰るとすぐにシャワーを浴びた。



今日は走ったり他にも何だか色々とあってたくさん汗をかいた。

図書室ではドキドキしちゃったけど……

彼はちゃんと勉強してるかな?


同じ授業は音楽だけだから彼の成績の事はよくわからないし……

でもギターも相当練習してるだろうし、それにバイトも毎日だし……

勉強する暇なんてあるのかな?



そんなことを考えながらシャワーを浴び終え、ドライヤーで髪を乾かすと和室の扇風機の前で体を冷ませた。



母「理佐ぁー、由依ぽんから電話ー!」

理佐「あ、はーい…部屋で取るから待ってー」


と、言って自分の部屋へ行った。


そして電話を取り……


理佐「いいよー、切ってー」


と、子電話から母に伝えた。



理佐「あ、由依?どうしたの?」

由依「あー理佐……いや、今日図書室でどうだったのよ」

理佐「え?どうって……普通にノート写させてあげただけだよ?」

由依「何で走って出て行ったのよ?」

理佐「あ~……あれは………」

由依「何があったの?」

理佐「いやぁ~何て言うか……そのぉ……」

由依「何よ?」

理佐「『好き』て言ったら……」

由依「え!!!? 『好き』て言ったの!!!!!!?」

理佐「いや、そう言う『好き』じゃなくって……」

由依「え?どう言うこと?」

理佐「あのね、『西野くんの雰囲気が好き』て言ったんだけど……」

由依「ふんふん!!?」

理佐「彼も由依みたいに一瞬勘違いしたかと思ってあわてて訂正したんだけど……」

由依「ほぉほぉ!!」

理佐「そしたら彼が、私が他に好きな人がいるんだと思ってて……」

由依「ほぉ!!!」

理佐「で、私が『他になんていないよ!』て言っちゃったもんだから恥ずかしくなって慌てて飛び出しちゃったわけ」

由依「何ぃーそれー………」



理佐「で、後はみんなが来て……」

由依「なるほどね!それならもう勢いで言っちゃえばよかったのに」

理佐「えー!やだよぉーそんなの……」

由依「で、あの男はどんな顔してたの?」


理佐「え……?ん~……びっくりしてた……かな?」

由依「あんたちゃんと顔見てないでしょ?」

理佐「え? う、うん……見てないかも……」

由依「そうだろうね!何でその時の表情をちゃんと見ておかないのよ!」

理佐「えー……そんなの冷静に見れないよぉ……」

由依「まぁ理佐には無理かぁ……」



理佐「ところで何でみんな図書室に居たの?」

由依「え……?」

理佐「ん……?」

由依「そりゃぁこれから面白いことが起こりそうなのにその場に居合わせないなんてもったいないでしょ!?」

理佐「え!? 何それー! ひどぉーい!」

由依「まぁまぁ……みんな理佐を心配してんだよ」

理佐「えー、嘘ぉー!絶対楽しんでるでしょー!!」

由依「ホントに心配してるってば!」

理佐「ホントにぃ~?」

由依「うん、ホントホント」

理佐「んーー……まぁいいけど……」



由依「で?」

理佐「で……?」

由依「祇園祭はどうすんの?」

理佐「あ、うん……そうだね……」

由依「まぁまた火曜日にでも誘えば?」

理佐「あ、うん……そうする」

由依「うん、じゃあそう言うことで」

理佐「うん、ありがとう」

由依「じゃあね、おやすみ」

理佐「うん、おやすみ」



と、言って電話を切った。





祇園祭かぁ……


一緒に行けたらいいなぁ……







第百五十三話へつづく…











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