だって、恋したいもん!
第百五十六話 彼女って
私はアドレス帳を取り出し、一番最後のページに書いてある彼の家の電話番号を開いた。
由依が覗き込んで…
由依「へぇ~『に』のところに書いてないのが憎いねぇ~」
理佐「やだっ!ちょっと見ないでよぉー」
と、アドレス帳を閉じると…
由依「ごめんごめん、もう見ないからかけよう」
と、由依が言ってきた。
理佐「もぉー!」
理佐「持ってて!」
と、怒りながら私は受話器を由依に渡した。
そして十円硬貨を二枚入れてプッシュボタンを押し始めた。
理佐「7……6………………」
由依「ん、どうした?」
理佐「ホントにかけなきゃダメ……?」
由依「何やってんのよ!」
と、由依が手を伸ばして残りの番号を押した。
理佐「えーー!!かかっちゃうじゃん!」
由依「ほら、早く!」
と、私に受話器を差し出した。
「プルルル……プルルル……」
理佐「えーー!!かかってるじゃん!!」
「ガチャッ………はい西野です」
理佐「え、やだっ………」
由依「ほら、早く!!」
「もしもし…?」
由依「ほらぁ!!」
理佐「あ、もしもし…」
「はい、どちら様ですか?」
理佐「あ、あのぉ………」
「はい…?」
私は由依の方を見て…
理佐「どうしよう……」
と、言うと由依は受話器を指差して……
「早く!」
と、ジェスチャーしている。
「もしもし?」
理佐「あ、あのぉ……渡邉と言いますけど……」
「はい……?」
理佐「あのぉ……よしおくん居ますか?」
「あ、よしおね……ちょっと待ってね」
「よしおー!彼女から電話ー!」
理佐「え!!?」
彼女って………
第百五十七話へつづく…