だって、恋したいもん!

第百六十話  彼女みたい







理佐「ねぇねぇ、西野くんはどの教科が得意なの?」

義雄「え、オレ?得意なのは英語かな……あとは算数かな?」

理佐「え!?『算数』て…小学生じゃないんだから!『数学』でしょ?」

義雄「いや、小中学の頃は得意だったけど高校になったらもうわけわかんないよ!」

義雄「だから『算数』ね」

理佐「何それ!?可笑しい」


理佐「じゃあ今は数学は苦手なの?」

義雄「いやまぁ一夜漬けでも数学はまだ平均点ぐらいはとれるかな?」

理佐「へぇ~すごいじゃん」


理佐「じゃあ苦手なのは?」

義雄「やっぱ歴史かな?日本史も世界史もどっちもダメ!!」

義雄「あんなの一晩で全部覚えられないよ」

理佐「一晩で覚えようとするからダメなんじゃないの?」

義雄「でも毎日なんてやってらんないよ」

理佐「毎日じゃなくてもいいからさ、要点を押さえておけば大丈夫だよ」

義雄「そぉなの?」


理佐「理科系とかは?」

義雄「どっちかと言えばそっちのほうがましかなぁ~、答えがはっきりしてるほうが…」

理佐「ふぅ~ん」


義雄「あとは国語が苦手かな?古文とか全然だめ!!」

理佐「そうなんだ……私と真逆だね」

義雄「そうなの?渡邉さん何でも勉強出来そうだけど…」

理佐「やだ、それ買いかぶり過ぎだよ」

義雄「真面目そうだもん」

理佐「普通だよ! 西野くんは遅刻したりとかさ、不真面目だよ!……出席日数とかは足りてるの」

義雄「うん、それはちゃんと生徒手帳につけてるから大丈夫!」

理佐「もぉー!そんなとこはマメなんだからぁ」

義雄「あとどれだけ休めるとか計算しとかないと損するでしょ?」

理佐「『損』て……損得の問題じゃありません!」

義雄「ハハハ、何か渡邉さん彼女みたい」

理佐「え、やだ!ちょっと何言ってるの!?」

義雄「あ……ご、ごめん……」


理佐「喋ってばっかりじゃん!勉強しようよぉ」

義雄「あ……うん…」


と、言って二人で教科書に目を落とした。




もぉー、急に変なこと言うんだからぁ……







第百六十一話へつづく…











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