だって、恋したいもん!
第百七十六話 期待
そして家の近くまでくると…
義雄「どの辺だったっけ?」
と、彼が聞いてきた。
理佐「あ、うん…そこのローソンの前でいいよ、もう近くだから」
義雄「いいの?家まで送るよ?」
理佐「うん、大丈夫…もうすぐだから」
義雄「そお?じゃあ…」
と、言って店の前で自転車を停めた。
理佐「ありがとう、遠回りさせちゃったね」
義雄「うぅん、こっちこそありがとう」
理佐「勉強、頑張ってね」
義雄「うん、帰ってからもう少しやってみるよ」
理佐「うん、その意気その意気」
義雄「あのさ……」
理佐「何……?」
義雄「さっきの……少しだけ期待しててもいいかな?」
理佐「……? さっきの、て…?」
義雄「あのぉ……祇園祭の……浴衣のこと」
理佐「え…? あ、うん……」
義雄「渡邉さんの浴衣姿……見たいかなぁ…て思って……」
理佐「え♪……うん、みんなと相談してみるね…一人だと浮いちゃうから」
義雄「うん……無理だったら全然大丈夫だから…」
理佐「うん……」
義雄「じゃあ気をつけてね」
理佐「うん、ありがとう……西野くんも気をつけてね」
義雄「うん、じゃあ」
理佐「バイバイ」
そして彼は自転車に乗って帰っていった……
「浴衣かぁ……」
彼にそう言われて私もその気になっていた。
第百七十七話へつづく…