だって、恋したいもん!
第百八十話 目の前の試験と…
倫理のノートを広げて自習をしていると、彼も答案用紙を提出するために席を立った。
そして教壇の机に答案用紙を置いて戻ってくると…
義雄「ありがとう」
と、ウイスパーボイスで私に言った。
理佐「もぉー!いけないんだから!」
と、私も小声で返事した。
すると、
高嶋先生「お喋りはするなー」
と、先生に怒られた。
そして試験も終わりまたそれぞれの教室へ戻った。
由依「どうだった?」
理佐「うん、すごい簡単で終わったら他の教科自習してもよかったの」
由依「え、マジで!? うちらなんか終わったら寝ててもいいけど動くなって」
理佐「えー!何それー」
由依「美術や音楽なんてそれ系の大学行かないなら成績関係ないじゃんね!?」
理佐「そうだよね……」
由依「あんた音大とか考えてないの?」
理佐「えー、そんなの全然考えてないー」
由依「そうだよねぇ……」
由依「まぁでも将来、結婚してからでもピアノ教室とか出来るじゃん」
理佐「あーそう言うのもあるのかぁ……」
理佐「て、私にそんなの無理だよぉー!」
由依「まだまだ先の話だよねぇ~」
理佐「うん、今は目の前の試験だよね」
由依「そうそう、目の前の試験と目の前の男とね」
理佐「もぉ!またいじろうとしてるでしょっ!」
由依「アハハッ!あんた面白いもん」
と、今日もまた由依にもて遊ばれているのでありました……
第百八十一話へつづく…