だって、恋したいもん!

第百八十二話  お姫様







自宅でお昼ごはんを食べて着替えると由依が誘いにきて図書館まで一緒に行った。


理佐「私、府立図書館て初めてだよ」

由依「あたしも行ったことはないけどね」

理佐「動物園は小さい頃によく行ったなぁ~」

由依「あたしも♪」



そんな話をしながら二十分ほど走ると図書館に着いた。




中に入ると割りと広々としていた。




席を見渡すと美波とおぜちゃんが手を振っていた。


そして席へ着くとすぐに茜も来た。


茜「これで全員?」

義雄「うん、こっちは誰も来れないって」

尾関「そうなんだ…」

美波「よしおくんハーレムじゃん」

義雄「いやっ、怖いよこのメンツじゃ…」

茜「何っ!?」

義雄「ひぇ~」

茜「うそうそ、仲良くしようね♪」

義雄「それもまた怖い~」

由依「どうなのよ!?笑」


尾関「まぁまぁ…で? 月曜て何の試験だっけ?」

理佐「月曜は……現代文、数学、世界史かな」

義雄「うわっ!また歴史……」

理佐「西野くんホント歴史苦手なんだね?」

義雄「うん、もう世界史なんてカタカナばっかで無理ぃー」

由依「カタカナて……!笑」

美波「確かに変な名前の人ばっかだよねー」

由依「まぁ確かにね」


と、そんな話をしながらもいつしか会話も途切れそれぞれがそれぞれの科目に集中していった。









そして蛍の光が流れ始めた。



茜「あれ?もうそんな時間?」

由依「うわっ!いつの間にか5時だよ!」

尾関「今日はここまでだね」

美波「帰ろっか?」

義雄「こんなに勉強したの生まれて初めてかも…」

理佐「大袈裟だよぉー」


美波「理佐の前だからね、格好つけないとね」

義雄「うぉっ!何だよそれ!?」

尾関「うん、顔上げたらいつも理佐見てたもんねー」

義雄「違げーよ!正面に居るからそうなるんだよ!」

美波「キャハハッ!むきになってるよー」

義雄「なんだよー!」


美波「じゃあ帰りは理佐送っていってあげてね」

理佐「え……」

義雄「え、オレたぶん一番家近いんだけど…同じ方向の人いないの?」


理佐「え……由依……」

由依「あ~……あたしちょっと美波ん家寄ってくから…」

理佐「え、茜は…?」

茜「あ~…あたしもおぜちゃん家に本借りに行くんだよね…」

理佐「え、どうしたのみんな……?」


美波「そんなわけで…よしおくん、お姫様をよろしくね!」

義雄「え……あ、うん……じゃあまぁ……」

尾関「よかったね、理佐」

理佐「えー………」



そして四人は自転車に乗ってそれぞれの方向へ帰っていってしまった…







第百八十三話へつづく…











< 190 / 208 >

この作品をシェア

pagetop