だって、恋したいもん!

第二話  何で?






演奏が始まった。

彼らが練習している教室からは少し離れているけど、

それでも音の激しさが尋常ではない。


「おーい、始まったぞー!!」

と、男子生徒が数人渡り廊下へ来た。


私は旧校舎側の端にいたが彼らは距離をとって新校舎側の端に集まった。


男子生徒A「今日も一曲目はRattじゃん」

男子生徒B「おぉ、あいつらこの曲でその日の調子を見極めるって言ってた」


へぇ~「Ratt」て言うんだこの曲…

帰りにレコード屋に行って見てみよっと♪


男子生徒A「おぉー今日も絶好調だなー」

男子生徒B「あいつらの演奏最高だし!!」

男子生徒C「うん、下手なライブ見に行ってるよりここで聴いてる方が断然いいよな」


うんうん、私もそう思う。

やっぱり人気あるんだー。

ホントに上手だし、


私、ロックのことはあまりよく分からないけど…

でも聴いててすごく熱くなる。

男子にも人気あるんだなぁ~

やっぱりカッコいいもんなぁ…


男子生徒C「次いつライブやるんだろうな?」

男子生徒A「文化祭では間違いなくやるだろ?」


男子生徒の話が耳に入ってくる。

えー!!

文化祭って10月じゃん!?

まだ今5月だよ!!

そんなに待てないんだけど…


とは言うものの…

ライブなんかしたら彼のファンが増えるんじゃないかと心配になる…

特に新入生も入ったばっかりで、

彼に言い寄ってくる女どもが出てきたりなんかしたら…

あー、やだやだそんなの!!


とは言えど、

私から告白なんて出来ないし…

告白出来たとしても彼が私のことを…


最近、彼らの演奏を聴いて練習している教室を見上げていく生徒たちがいるのもここから見えるし…


あーん、

私は何でこんな人を好きになっちゃったのかなー!





第三話へつづく…











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