だって、恋したいもん!

第百九十四話  システム







待ち合わせ場所に行くとおぜちゃんが居た。


美波「おぜちゃーん」

と、美波が呼ぶとおぜちゃんもこちらに気づき手を振っていた。

尾関「さっき莉菜と会ってさぁ…」


と、隣には民研の上村莉菜ちゃんが居た。


美波「わぁー、二人とも浴衣可愛いじゃん!」

尾関「ありがとう♪ でも四人も個性あっていいね」


上村「軽音みんなで行くの?」

茜「うん、そうだよ」

上村「いいなぁ~、民研のメンツで来ても面白くないからなぁ~…」



由依「一人なの?」

上村「うぅん、中学の時の友達と待ち合わせてるの」

美波「そうなんだ…」


と、話していると…


「莉菜?」

と、後ろから声を掛けられ振り向くと二人の女の子が立っていた。



莉菜「あ、ごめん…友達来たから行くね」

尾関「うん、またねー」


と、手を振って別れた。


そしてしばらく話していると彼のバンドのメンバーが次々とやってきた。


橋本「おー、ちょうどだなぁ~」

と、時計を見ると6時ちょうどを指していた。

茜「あんたたち何時って聞いてた?」

斉藤「おー、5時半集合だろ?」

茜「今何時?」

橋本「6時だな、ちょうどじゃん」


茜「あのね…」

由依「いいじゃん、それ見越して5時半て約束してんだから」

茜「はぁ~……何だそのシステム……」

美波「まぁまぁ、いいじゃん」

尾関「あれ? 西野くんは?」

橋本「あー、まだ来てないか…?」

岩本「バイト、引っ張られてるのかな?」

橋本「まぁもうちょい待ってやるか?」


と、みんなが言うのでしばらくその場で立ち話をしていた。





そして二十分ほどすると彼が走ってやって来た!


義雄「ハァハァハァ……」

と、息を切らしていた。



橋本「バイト終わったか?」

斉藤「お前めぇ浴衣着て張り切ってんじゃん!」




そう、彼も浴衣を着ていた…


義雄「おう、いとこの兄ちゃんが貸してくれたんだ…」

茜「いいじゃん!似合にあってるよ」

義雄「だから時間かかって急いで走って来たんだよ…」


と、彼は息を切らし汗を流していた。


理佐「え、すごい汗だよ」

と、私は彼にハンカチを差し出した。



義雄「あ、ごめん…ありがとう」

と、彼は額の汗を拭っていた。



義雄「ごめん、洗って返すね」

理佐「うぅん、いいよそのままで」

義雄「いや、ダメダメ…ちゃんと洗って持ってくるから」

斉藤「おぃおぃ、何か熱いなー今日もー!」

と、彼がからかわれると…

義雄「うるせぇーなぁー」

と、斉藤くんに飛び蹴りをしていた。


みんなが爆笑したところで歩行者天国の人の列へと移動した。







第百九十五話へつづく…












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