だって、恋したいもん!

第三十八話  頼りにしてる







義雄「じゃあそろそろ練習に行かないと…」

義雄「ギター取りに帰るよ」

理佐「あ、うん…今日はありがとう♪」

義雄「うぅん、オレのほうこそありがとう♪」

理佐「また来週ね♪」

義雄「うん、オレも楽しみにしてる♪」



そう言って彼は自転車に乗って帰って行った。



私はその後ろ姿を見えなくなるまで見送っていた。





理佐「行っちゃったぁ………」


私も帰ろう…


と、自転車に乗ろうとした時…

誰かが私の肩をポンッとたたいた。


振り向くとそこには由依が立っていた。


理佐「え!? 由依……」

由依「あんた何やってんの?」

理佐「え? 何って……」

由依「もぉ~、告白のチャンス何回もあったでしょ!!」

理佐「え……う、うん………」

理佐「でもぉ……」

由依「はぁ~……まぁ理佐にしちゃぁまだ頑張ったほうか……」

理佐「えーーー!!そんなこと言わないでよぉー」

由依「でもあの調子じゃあ西野くん誰か言い寄ってきたら行っちゃうよ?」

理佐「えーーー!!そんなのやだ!!!」

由依「だったらさぁ、もうちょっとあったでしょ!?」

理佐「もうちょっとって?」


理佐「え? てか由依どこまで見てたの?」

由依「まぁほぼほぼね」

理佐「えーーー!!全然気づかなかったー!」

由依「ほとんどすぐ真後ろにいたよ」

理佐「えーーー!!」


由依「まぁ来週映画行くんでしょ?」

理佐「うん……」

由依「それまでにもうちょっと流れ作っとこうか!?」


何だか怖い由依だったけど…

少し頼りにしてる部分もあったのは確かだった。







第三十九話へつづく…











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