だって、恋したいもん!

第四十八話  普通の男の子







母「ごはん出来たわよー」

理佐「はーい」

母の呼び掛けで私たちはダイニングへ降りて行った。


母「お父さん遅くなるみたいだから先に食べちゃいましょ」

理佐「はーい」

と、言って三人で席に座った。


弟も塾で居なくて女四人での食事になった。


彼が選んでくれた焼き魚が食卓に並べられていた。


理佐「いただきまーす」
由依「いただきまーす」
美波「いただきまーす」

母「私もいただきます」


母「あら♪ホント美味しいわね」

理佐「ホントにー♪美味しいねー♪」

美波「まぁ理佐は特別に美味しいだろうけどね」

理佐「ちょっと美波ぃー!」

母「何?どうしたの?」

理佐「何でもなーいー」


母「何かあんたたち今日は変ねー?」

理佐「何でもないってばー!」

母「そぉ?」


母「で、これどこで買ってきたの?」

理佐「あ、うん…寺町通りのお店で…」

母「え?家と反対方向じゃない?」

理佐「うん、この前本屋に行く途中で見つけたの」

母「へぇ~そうなんだ…」

母「何てお店?」

理佐「あれ?お店の名前何だっけ?」

由依「あれ?見てなかったなー」

美波「明日聞いてみたらいいじゃん」

母「え?また行くの?」

美波「いえ、学校で…」

由依「あー、西野くんにね」

理佐「ちょっと由依っ!!」

由依「あっ………!!」


母「西野くんて誰?」

美波「あー……あのぉ~…クラスの男の子…」

母「何でその子に聞くの?」

理佐「もぉー!二人ともぉー!!」


母「ひょっとして~…」

母「その子目当てで買い物に行ったの?」


由依「ごめーん理佐ぁー……」

理佐「もぉーサイアクだぁ………」


母「あ、そう言うことね♪」

母「恋多き乙女に利用されちゃったわけか」

理佐「え、違うよぉー」

母「まぁまぁ、美味しいからいいですけどね」

理佐「そんなんじゃないってばぁ~」


母「で、どんな子なの?」

美波「軽音でバンドやってて…」

母「え!?不良なの?」

由依「いえいえ、普通の男の子ですよ」

美波「髪も伸ばしてないしね」

母「でもバンドやってるんでしょ?ロックとか?」

由依「あーまぁそうですけど…」

理佐「大丈夫だって!」

母「そうなの?まぁじゃあ今度お母さんも買いに行ってみようかしら」

理佐「え?やだ!やめてよぉー」

母「いいじゃない、見るくらい」

理佐「もぉーやだよぉー」


と、二人のおかげですっかりバレてしまったのでした。







第四十九話へつづく…











< 50 / 208 >

この作品をシェア

pagetop