だって、恋したいもん!
第四十九話 彼
母「へぇ~、理佐にも好きな子が出来たんだねぇ~」
理佐「もーぉー」
美波「そりゃもう高2ですから」
由依「恋のひとつもしますよねー」
母「え?あなたたちも誰かいい人がいるの?」
由依「いやぁ~」
美波「あたしたちは全然!」
母「あら、そうなの?」
美波「今は理佐の応援でね」
由依「そうそう、精一杯ですよ」
母「一度うちに連れて来なさいよ♪」
理佐「え、まだそんな……」
由依「もう少しね、頑張らないとねぇー」
理佐「もーもーもー!」
美波「いいじゃん、こそこそするよりさ!」
由依「そうそう、応援してもらえるほうが頑張れるでしょ?」
理佐「そりゃまぁ……」
母「いいわよ、理佐の好きになった子なんだからきっといい子でしょ?」
理佐「んー……私もまだよくわからないんだけど……」
母「え!?一目惚れなの?」
理佐「いやぁ~そうではナイカモシレナイケド…」
母「何よぉーはっきりしないわねー」
理佐「だってよくわかんないんだもん」
理佐「気づいたら好きになってたと言うか……」
母「何それ?」
由依「まぁ明日は一緒の授業があるから、ね♪」
美波「そうそう!理佐のお母さんにいい報告出来るように頑張ろう♪」
理佐「う、うん………」
理佐「え?てか、お母さんのためじゃないしぃー!!」
母「で、どんな子なの?」
理佐「バンドやってて…」
母「それさっき聞いた」
理佐「魚屋でバイトしてて…」
母「それも聞いた」
理佐「いっぱいごはん食べて…」
母「あらいいわね♪」
理佐「あとは…」
母「あとは?」
理佐「んー………」
母「何よ?それだけで好きになったの?」
理佐「んー………」
理佐「私のことはただの友達だって…」
母「あら、ダメじゃない」
母「もっとちゃんと意識させないと!」
理佐「えー、どうやって……?」
母「そりゃ男なんてスカートひらひらさせてりゃみんなついてくるでしょ?」
理佐「ちょっとお母さーん!!」
母「あら、まだ高校生には早いかな?♪」
理佐「彼はそんなんじゃないってばー!」
母「あら♪『彼』だって♪」
理佐「いや、ちがうよぉー!」
理佐「もぉー!みんなで遊んでるでしょー!!」
由依「まぁまぁ、みんな理佐のこと心配してるんだよ」
美波「そうだよ!うまくいってほしいんだよ」
と、からかわれてるのか応援されてるのかよくわからない人たちだ………
第五十話へつづく…