だって、恋したいもん!
第五十六話 飲まれっぱなし
そしてもう一度ノートの切れ端の紙に書いて由依に投げた。
「由依と私もメンバーに入ってるんだよ!」
それを見た由依は、
「あたしと? 理佐が?」
と、指差してジェスチャーをした。
そして次に飛んできた紙には…
「ますます面白そうじゃん♪♪」
と、書かれていた。
えー!
由依乗り気じゃん!!?
「もぉー!何でー? 授業終わったら話するからね」
と、私は書いて由依に投げた。
それを見て由依は「オッケー」とジェスチャーしていた。
そして授業が終わり、チャイムが鳴ると先生が…
「今日は担任の大江先生は外出してるので終わりのホームルームはありません。配布するプリントだけ日直の……えーとぉ……原田さんは職員室に取りに来てくれるかー?」
と、行って教室を出て行った。
理佐「ちょっと由依ー!!」
と、振り返り由依に言い寄った。
由依「で?バンドて何やるの?」
と、聞いてきた。
理佐「もぉー本気なのー?」
由依「うん、面白そうじゃん♪」
理佐「えー、だってぇー……」
由依「まぁどうせ部活やってないし、軽音だったら週一ぐらいでしょ?いいじゃん♪」
理佐「えー、そうじゃなくてぇー…」
由依「何よ?いいじゃん♪もっとお近づきになれるチャンスじゃん♪」
理佐「だってぇー、ダメだったらどうすんのよぉー……」
由依「あんたそんなこと最初から考えてたら何んにも出来ないじゃん」
理佐「んー、そうだけどぉ……」
美波「由依ーー!♪」
と、言って美波が走って教室に入って来た。
美波「由依ギター弾けるよね?」
由依「バンド?」
美波「あ♪もう話聞いた?」
由依「うん♪」
美波「なんだ、じゃあ理佐もやる気あるんじゃん!♪」
理佐「違うよぉー!!」
由依「美波は何やんの?」
美波「あたしベース始めよっかと思って!」
由依「あ、ベースかぁ……いいじゃん!♪」
由依「美波がベース、理佐がピアノ、あたしがギター……」
由依「あとは?」
美波「まだ……とりあえずドラムだよ!」
美波「でもその前にあたしベース買わなきゃだもん」
由依「あ、そっかー……出来る?」
美波「まぁ頑張ってみるよ!西野くんもベースなら教えられるしすぐ上達するって言ってたから」
由依「そうだね、まぁ美波はクラリネットやってるから、楽譜も読めるしリズム感も問題ないでしょ」
由依「リズム楽器だから音楽経験者の美波にはうってつけだよ♪」
美波「ホントに?♪」
美波「でね♪買うのにね、西野くんが楽器屋に付き合ってくれるって言ってたから…」
由依「へぇー、そうなんだ……」
美波「で、理佐いつがいい?」
理佐「え? 私……?」
美波「そう!理佐も連れて行くから理佐の都合聞いてから日にち決めよう、て…」
理佐「え………」
と、美波の強引なペースに飲まれっぱなしだった………
第五十七話へつづく…