だって、恋したいもん!

第八十五話  わかってない?







「先ぱぁ~ぃ♪」


と、二人の女の子が彼に声をかけてきた。



義雄「おう! 大沼・増本、来てたの?」

大沼「はい♪ だって先輩たちの練習は必ず見に来ますよ!」

義雄「あぁ、ありがとう」


大沼「さっきの曲、次の昼コンでやるんですか?」

義雄「あぁ、うん♪そのつもりだけど…」



義雄「あ、紹介しとくよ…さっきの曲のヘルプで入ってくれる渡邉さん」

理佐「あ、よろしくお願いします」

大沼「よろしくお願いしま~す♪」

増本「あぁ、はい…」


義雄「で、あそこにいる女の子たちはみんな新しく入った部員ね♪五人でバンド組んだのでまとめて入ってくれたんだ」


義雄「みんな、ちょっと手止めて来てくれるー?」


と、彼の呼びかけに皆が集まった。


義雄「この子たち、一年生の部員ね。大沼と増本…」

義雄「一年はまだ二人しかいないんだよ…」

大沼「よろしくお願いしま~す♪」

増本「お願いします」


義雄「で、こっちが新しく入ってくれた二年の五人ね」

MARRYメンバー「お願いしまーす」


義雄「一年は二人だからまだ活動らしい活動はしてないけど…」

義雄「メンバーは募集中なんだろ?」

大沼「はい、でもなかなか…」


義雄「で、二年の五人はしばらく木曜日にオレたちと合同で練習するから…」

増本「あ、そうなんですか…」

義雄「うん、まぁそんな感じだから…仲良くしてあげてね♪」

大沼「はい♪」

増本「はーぃ…」


義雄「それじゃあと10分したらもう一回やろっか」

メンバー「オッケー」


と、また皆がそれぞれペアになって練習を始めた。




増本「先ぱぁーぃ、キーボードいるなら言ってくれればいいじゃないですかー」

義雄「え?お前ら弾けるの」

増本「いえ」

義雄「え?弾けないの?」

増本「弾けないけど言ってくれれば練習したのに…」

義雄「いや、今から始めても鍵盤はちょっとやそっとじゃダメだろ」

増本「それでも言ってくれればよかったのに…」

義雄「おいおぃ…」

増本「だって先輩あたしたちの気持ち知ってるくせに!」

大沼「ちょっと綺良!」

義雄「え…?」

大沼「すいません…」

大沼「綺良!ダメだよ!……行こう!」

大沼「失礼します…」


と、大沼が増本の手を引いて二人は走って教室を出て行った。




義雄「どうしたんだろ?あの二人…」


ん?


彼…


わかってないのかな?







第八十六話へつづく…











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