高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい
ほんの少し、明かりが差し込んだと思ったらすぐに真っ暗になった。それでも声だけで分かってしまう。尊臣だ。
近づいてくる気配に華は涙を急いで手の甲で拭い、顔を上げる。
「華ってば、やっぱり泣き虫なんだなぁ。なんも変わってない、華のまんまだ」
「なんで、ここ、に?」
暗闇に目が慣れて、目を細めて優しく微笑んでいる尊臣の顔が薄っすら見えた。華は泣いていて、鼻が詰まった声を出す。
「ん、ここに華がいるような気がしたから。昔、誰もこなさそうな暗い場所でよく泣いてたのを思い出してさ。家のクローゼットの中とか」
そういえばそうだ。そうやって一人で泣いていると必ずと言っていいほど尊臣が見つけては泣き止むまで隣にいてくれた。華の泣き顔を見たことあるのは家族と尊臣くらいだ。
隣に座っている尊臣が華の肩を抱き寄せた。