高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい
「お待たせ。帰ろうか」
すっと差し出された手に華は自然と手を重ねる。
「うん」
「裏口から帰れば誰にも見られないから、その真っ赤な目も見られないで済むよ」
「うん」
裏口から外へ出ると辺りは水彩絵の具で塗られたような薄い黒で広がっていた。大きな三日月にポツポツと光る星に照らされながら尊臣の隣を歩く。手は繋がれたままで、離してくれるような素振りは一切なく、ぎゅっと握りしめられたままだ。
「尊臣くん、あのさ」
ぐぅ〜〜〜。華の腹の虫がタイミングよく鳴った。