溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 抵抗せずに黙ってついていくと、晃汰さんはそのままバスルームの扉を開けて中へと私を引き入れた。


「晃汰さん、あの」


 困惑する私の腕を掴んだまま、晃汰さんはシャワーの栓をひねる。

 勢いよく出たシャワーは、あっという間にバスルームを温かい湯気で包み込んだ。


「晃汰さん、服が濡れます」


 服どころか、ふたりとも跳ねる水しぶきで髪や顔まで濡れている。

 晃汰さんは私の身につけているジャケットのボタンに手をかけ、早急に外していった。


「晃汰さんっ」


 ジャケットを脱がされ、ブラウスのボタンも外しにかかる。

 さすがに驚いて、三つ目までボタンを外した晃汰さんの手を止めていた。

 急な展開に頭がついていかない。


「他の男に触れられた体は、全部綺麗にしないと気が済まない」


 やっぱり、さっきの一件で相当怒っている。

 それがその言葉ではっきりと証明された。

 腕を掴まれ、抱き寄せられる。見方によっては大したことではないかもしれない。

 だけど、自分の妻が、たとえそこに愛情がなかったとしても、やっぱりいい気分はしないのかもしれない。

< 123 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop