溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
そのままエレベーターは住まいの階に到着し、扉が開いた途端、晃汰さんは私の手を引いて部屋まで足早に歩き、玄関ドアを解錠する。
ドアを開けて繋いだ手を離すと、その手の平が私の背中をそっと押した。
玄関に入り、パンプスを脱ぎながら、さっきのことをどう話してこの淀んだ空気をもと通りにできるのか考える。
ちゃんとありのままを話して、そして、私の今の気持ちを素直に話したら……。
そんなことを頭で整理していた時、突然体を押されて玄関の壁に追い詰められる。
驚いて見開いた目には、晃汰さんの端整で無表情な顔が迫った。
あっと思った時には、目線を合わせた晃汰さんの唇が私の唇に押し当たっていた。
すぐに唇を割って生温かい舌が侵入してくる。
「っふ、ん、っ……」
もう何度も唇は奪われているのに、未だに慣れない自分が恥ずかしい。
「っ、晃汰さん……? 怒って、ますか……?」
唇を割って少し強引なキスで迫られ、突然のことにどうしたらいいのかわからないまま晃汰さんを見上げた。
壊れそうなほどに鼓動がドッドッと音を立てて胸を叩く。
「そうだな、怒っているかもしれない」
「ご、ごめんなさい。突然のことだったので、その、話をするだけならって、晃汰さんに相談もなく──」
事の経緯を説明しようとしたところで腕を掴まれた。そのまま奥に向かって少し強引に手を引かれていく。