溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
翌日。
今朝は珍しく午前のオペが入っていない水瀬院長は、院内の院長室でノートパソコンに向かっている。
もうすぐ心臓外科学会の学術大会が控えているからだ。
「失礼します」
水瀬院長は午前中はコーヒーを飲むと決まっている。
砂糖は無し。ブラックと決まっている。
画面に目を向けたまま、水瀬院長は「ありがとう」と呟く。
踵を返してとなりの秘書室に向かいながら、出てきそうになった欠伸を嚙み殺した。
昨日は調べ物をしていたら予想外の夜更かしになっていた。
今後、お見合いをして結婚するとなったら、今の私で妻という立場が務まるのかどうなのか……。
それを考え出したら、ネットで検索を始めていた。
これまで、仕事一筋で女性にとって必要なスキルを身につけてこなかった。
料理教室に通って手料理の腕を磨いたり、テーブルコーディネートなどもセンスも磨いたほうがいいかもしれない。
その他にも結婚するために習っているといいレッスンは選びきれないほどあった。
今更かもしれないけれど、少しでも結婚したい身としてはスキルアップに努めたほうが結婚相手にも気に入ってもらえるのではないかと考えたのだ。
一番大事なところで、料理教室に通い始めようと評判のいい教室を探していたら気付けば深夜二時を回っていた。