溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 二月第一週目の週末。

 一歩外に出ればキンと冷えた空気に包まれる。

 コートとストールの欠かせない真冬の晴天の下、私は横浜の老舗ホテルのロビーラウンジで周囲を見回していた。


「あ、いたいた! ちい!」


 名前を呼ばれて顔を向けると、そこには、約二カ月ぶりの両親の姿があった。

 年末年始に帰省した時に会ったぶりだ。

 ふたりとも、今日は見慣れない正装の姿。

 手にはお土産のような紙袋を持っている。


「場所、わかってよかったわ」

「うん。ここは仕事でもたまに来るから」

「あら、そうなの」


 水瀬院長について、このホテルには何度も仕事で訪れている。

 講演会や、ホテル内のレストランを会食で利用したり、年間数度はお世話になっているのだ。

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