溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る


 離れていく広い背中を見届けながら、久しぶりに鼓動が忙しなく早鐘を打ち始める。

 今日のデートの話をされた時、夜はホテルに宿泊しようと提案された。

 私との時間を大切に思ってくれているのが伝わり、すごく嬉しかった。

 こうしてふたりきりで宿泊できるのも、子どもが誕生すればなかなか叶わなくなる。

 だから、今のうちに晃汰さんを独り占めしておきたい。


「お待たせ。行こうか」


 戻ってきた晃汰さんが私の腰に腕を回す。寄り添って客室フロアに向かうエレベーターに乗り込んだ。


「お腹は大丈夫か」

 ふたりきりのエレベーターの中で、晃汰さんは私の体を心配してくれる。


「はい、大丈夫ですよ」

「予想より、寒い中歩いた気がするから」

「これくらい全然大丈夫です。気にかけてもらって体も冷えてないですし」

< 212 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop