溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
言えた……。
もしかしたら理由まで訊かれず、そのまま受理されるのではないかと思っていた。
咄嗟に選んだ言葉だったけれど、ちゃんと事情は伝わったはずだ。
「後任は、人事から決まり次第、私のほうで院長のサポートが完璧にできるよう指導していきます。次の職場に就職をするというわけではありませんので、後任がひとり立ちできると判断してから退職という形でも構いませんので、四月に食い込んでも大きな問題はないですし──」
「小野寺の代わりが務まる後任が一カ月で育つとは思えないな。三年のこの歳月、その仕事をすべて教え込むと?」
私の言葉を遮り返ってきた言葉に息を呑む。
「それは……私の指導で、辞めてもご迷惑のかからぬよう対処する所存です」
「それができなければ?」
「えっ……」
「続けてくれるのか、仕事を」
「それは……」
急に追い詰めるような言葉をかけられ、言葉に詰まる。
水瀬院長がこんな風に言ってくるとは思いもしなかった。
あっさりと、『そうか、わかった』と受理されると思っていたから……。
「なぜ結婚したいんだ?」