溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「お言葉ですが会長。水瀬院長と、私がとは……あの」
昨晩から今日出勤するまで、退職の話についてはかなり入念にイメトレをして頭の中で整理してきた。
だけど、まさか会長が同席し、昨日水瀬院長に言われた冗談のような話を本格的にされるとは思いもしない。
想定外の展開に頭の中は徐々に白く真っ新になっていく。
「婚約が確定していないのなら、ぜひ晃汰と一緒になってもらいたい。これまで晃汰と一緒に働いてきたで小野寺くんが、晃汰は嫌だと、受け入れられないというなら話は別だ」
「滅相もないです! そうではなくて、私のようなものにする話ではないと思うので……」
「どうしてだ? 私は君が晃汰と一緒になってくれれば、それ以上のことはない。小野寺くんとは、秘書をしてもらっていた頃からの付き合いだ。私は君を評価しているし、気に入っているんだよ」
会長から直々に勿体ない言葉をかけてもらい、「ありがとうございます」と頭を下げる。
それ以上の言葉が見つからず、膝の上で組み合わせた自分の手に視線を落とした。