溺愛前提、俺様ドクターは純真秘書を捕らえ娶る
「なんだかんだ久しぶりだな、ここに来るのも」
「そうですね」
複合ビルの一階テナントに入っている榊の入り口ドアを開けてくれた水瀬院長に促され一緒に入店する。
ちょうど待機していたスーツのスタッフが水瀬院長の顔を見て「お待ちしておりました」と出迎えた。
「今日は、彼女となんだ」
「秘書さんと。そうですか。どうぞ、ご案内いたします」
スタッフの男性に微笑まれ、会釈をする。
会食でここに訪れた際、私は入店まで付き添い、お店周辺で食事が終了するのを待ちながら他の業務に時間を費やしている。
水瀬院長から連絡が入ればすぐにお店へと戻れるよう、遠くには絶対行かない。
だから、こうして自分が客として入店するのは初めてのこと。
シェフが立つ周囲を囲むようにして横並びで座る席に案内される。
水瀬院長を目にしたシェフが、「いらっしゃいませ」と顔馴染みの水瀬院長を歓迎した。