シルバーブロンドの王子様が甘すぎる〜海を越えた子守り唄
「んっ」
キスをされたけど、昨日と違うことは彼の手が首から下を弄ってきたこと。
「か、カイル…ちょ、あっ…」
む、胸、触られた!
光輝くんにも触らせた事もないのに。
「も、いい加減に…」
キスの合間に彼をキッと睨みつけて、ドキッと心臓が跳ねた。
彼の、今までと違う熱さを秘めた眼差し……。
“男”の、顔を初めて見た。
「くるみ…」
熱を帯びた声で呼ばれて、彼にそのまま流されそうになった瞬間……。
「おはようございます!!」
バタン、と大きな音を立ててドアが開いて、甘い雰囲気は一変した。
危なかったけど…よかった。なんともなくて。でも、カイルさん…今、舌打ちしましたよね?
メイド服を着た女性がスタスタと部屋に入ってきてカーテンを開くと、まばゆい光で一瞬視界が真っ白になる。
「さぁさあ、起きてください!やっと花嫁様が見つかったんでイチャイチャしたいのはわかりますけど、夜まで我慢してくださいよ!」
「マリン……そう思うなら遠慮してくれ」
「だめです!今日はくるみ様のお買い物をして身支度を整えないといけません!ほら、起きてください」
ふわふわのストロベリーブロンドを左右でツインテールに巻いたメイド服の彼女は、わたしより年下に見えるのに、ずいぶんしっかりして見えた。
というか、くるみ様って?