冷徹パイロットは極秘の契約妻を容赦ない愛でとろとろにする

結局眠ることができなかった私は、ホテルからタクシーで十分ほどの場所にある国際通りに買い物に行くことを思い立つ。
タクシーを降り、通りに立ち並ぶ店をひとつひとつ見て回っていると、琉球ガラス専門店にたどり着いた。

「わ、綺麗」

引き寄せられるように店内に入り、棚に飾られているグラスに見惚れる。
琉球グラスは廃瓶を再利用し、吹きガラスと呼ばれる技法で息を吹き込んで成形しているらしく、同じ色でもそれぞれ厚みや気泡の入り方が違いどれも個性的だ。
触れてみると不思議と温かみを感じ、購買欲が高まった。

「買っちゃおうかな」

ピンクのグラスを手に取りながら、隣に置いてあったブルーのグラスに目をやる。
自然と駆さんと一緒に使うことを利用し、頬に熱が集まってきた。

(一緒に住んでるし、コップくらい同じデザインのものを使っても変じゃないよね)
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